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中国の教育研修業界のトレンドと未来*

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中国の教育研修業界のトレンドと未来*

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中国の教育研修業界のトレンドと未来*

1、教育研修業界の現状

(1)最大の特徴:爆発的に成長する市場

現在、教育研修業界の最大の特徴として、爆発的に成長していることがあげられる。

2012年には、市場規模は1 兆元にのぼるとデロイト・トーマツは予測している。

 

教育業界それぞれのセグメントの成長率は異なっているものの、

最も成長率の低いセグメントでもGDP の成長率を上回る9~10%を達成しており、

最も高いセグメントでは30%以上にも達する。

このように教育研修業界全てのセグメントは急速に発展しているといえる。

中国の教育研修業界の解決すべき経営課題
(2)業態全体:「小散乱弱、粗放経営」

10 年前、和君コンサルティングが新東方の上場プロジェクト支援を行った。

今や、新東方は業界のトップ企業になったとはいえ、未だに売上が30 億元程度の典型的な中小企業である。

和君コンサルティングが新東方の上場を実現したことにより、教育研修業界において高い評価をうけ、

毎年同様の案件に関して企業から依頼を受けている。

 

たとえば冠亜、卓越、学而思、学大等はすべて和君コンサルティングのクライアントであり、

和君コンサルティングは当該業界について深く理解している。

この業界の特徴は、細分化されているということである。

そのため、業界の統制がとれていない。

 

たとえば「教育研修企業」と「詐欺師」という2 つのキーワードで検索すると、検索結果が何ページにもおよぶ。

また、この業界は細分化されており、統制が取れていないので、弱小企業が存在する。

市場全体でみると、ビッグバンのように機会が多数存在しているので、あらゆる人が手段を選ばずに攻めたてている。

結局、業界全体の構造は細分化されており、統制がとれておらず乱れており、業界に弱小企業も存在する。

 

これを背景に、業界全体では、「粗放経営」とも言うべき、緻密な経営が行われていない状況も特徴としてあげられる。

業界全体において、粗放経営という特徴はさまざまな点で見られる:

 

第一に、ほとんどの企業は経営戦略を体系的に考えておらず、自社のターゲット・セグメントも明確にしていない。

 

第二に、ほとんどの企業は商品デザイン、サービス、ターゲティング等のプロセスにおいて適切な意思決定を行っていない。

非常にいい加減な意思決定方法しか取っていない。

 

第三に、教師の育成に問題がある。

 

担当の責任者が教師のことに関して把握していない企業も多数存在する。

マニュアルや資格認定の仕組みも不備のままであるため、

必ずしも標準化されたサービスを安定して提供できているわけではない。

 

サービスの標準化ができていないまま企業が拡大しようとしても、教師育成の課題がボトルネックとなり、

企業の発展が阻害されてしまう。

急速な発展を遂げた新東方は教師育成の課題にうまく対処した。

俞敏洪氏(新東方CEO)は学生への授業をおこなわず、教師の育成に専念した。

 

このように企業の経営戦略を体系的に考え、教師の育成体制を構築すべきである。

この業界の多くの企業は未だこの段階に到達しておらず、基本マニュアルさえ保有していないほどである。

 

しかしこの業界の企業は多くの利益を上げ、投資家が好むので、

経営者はそれらの幻想にとらわれて自社の経営はうまくできていると信じてしまう。

サービスの品質管理、学生の学習状況の管理、グループ経営のコントロールなどは、

当該業界企業が現在直面している解決すべき経営課題である。

資本が業界の競争体制と業態を変える
(3)資本が業界の競争体制と業態を変える

10 年前に和君コンサルティングが新東方の経営戦略の策定を支援した時、

当時の俞敏洪氏、徐小平氏および王強氏らは新東方が上場できるとは全く思っていなかった。

新東方の上場は新しい地平を開き、教育業界に新しい世界を見せたともいえるだろう。

 

やがて上場することがトレンドになり、上場企業が多数生まれた。

億万長者が続々と現れ、業界全体が繁栄することになった。

 

なぜこのような状況になったのだろうか。

 

これは教育業界の市場が爆発的に急成長したことによって、このようなチャンスが提供されたことが原因である。

教育業界への投資状況をみると、教育業界の人気のほどがうかがえる。

この業界では、作り話に対してさえ投資するほど過熱しており、リスクがある。

 

しかし、その「熱さ」が業界全体の発展を加速させ、不思議なほどの飛躍をもたらした、

そのため、業界にさらに資金が流入し、資金があふれることになった。

現在、企業は国内A株として上場できないが、仮に上場できたとしたらどのような状況が想定されるだろうか。

おそらく、この上場の流れは津波のように教育研修業界に押し寄せるだろう。

 

ニューヨークで上場しても、いずれ中国に戻ってくる。

新東方の俞先生は、今、ニューヨークで上場したことに関して若干後悔しているようだが、

仮に上場していなければ、現在の新東方にはなれず、

資金面においても管理の面においても現在のレベルには到達できなかったであろう。

 

では投資の過熱はこの業界にとって、何を意味しているのであろうか。

創富(訳注:起業によって大金を手にすること)の「羊の群れ効果」

(訳注:人はいつも大多数に従って行動するという心理的な特徴)によって、

インターネット業界とエネルギー業界と同じように、資金も人材も教育業界に大量に流入していく。

教育業界に全体の成長、イノベーション、変革、統合をもたらし、結果的に大きな発展をもたらすであろう。

 

新しいビジネスモデルの構築とビジネスチャンスの発掘が次から次へと遂行されていき、

小さな企業でも奇跡のように大手になっていく。

投資熱は必ず創業熱、成長熱、拡張熱、合併熱、統合熱などをもたらすのであろう。

資本は教育研修業界の全体を方向づけ、人材の流動化をもたらし、

業界の競争状況や企業のビジネスモデル等に影響を及ぼしていく。

教育研修業界の将来の方向性
(4)教育研修業界の将来の方向性

金融危機の後、ウォールストリートのエリートがいつも議論しているのは

次のグローバル投資のチャンスがどこにあるかということである。

これは大手投資銀行や大規模なファンドが最も関心を持つ話題でもある。

次世代エネルギー、インターネット、新材料、それとも電気自動車だろうか。

 

彼らの結論は、今後15 年、もしくは20 年は、教育研修業界が次のグローバル投資対象となるということである。

彼らは、2008 年のアメリカ発のグローバルな金融危機は、単に「金融危機」と解釈するのではなく、

金融危機が誘発した社会体制全体の崩壊―工業社会の解体が始まっている―と社会構造の変革である、と考えている。

 

この危機から脱出するためには、

新しい社会構造と社会体制を見つけることによって人類の生存を継続させるしかない。

新しい社会構造と社会体制が、将来、職種の変化ひいては個人の学習形式の変化をもたらすであろう。

新しい社会体制に適応するために、私たちには新しい教育研修体系が必要である。

金融危機は人類社会が工業時代からポスト工業時代に入ることを意味している。

 

ハーバード大学をはじめとする伝統的な教育機関は、今回の金融危機がさらに続くと、

多くの大学が破たんしてしまうという考えを持っている。

新しい社会構造へと変革していく中で、人々のライフスタイル、就職の状況、さらに働き方がすべて変わっていくだろう。

そのため仕事に必要なスキルや人々の生活に対する基本的な考え方も変化し、

教育によって提供するべき知識やスキルも従来のものとは異なってしまうだろう。

 

ハーバード大学をはじめとする伝統的な教育機関がこのような変化に適応できないため、

全体的な教育の改革が待たれている。

この教育改革は人類社会の現状の転換を意味している。

教育業界は、昔のアメリカの鉄道、最近のインターネットおよび新エネルギーと同じく、

時代を変える業界だと彼らは考えている。

 

この業界は、インターネット、今の新エネルギー、かつての鉄道やバイオ医薬品と同様に、

グローバルな投資のトレンドを生み出す。

これは教育研修業界に属するビジネスマンにとって、単にビジネスチャンスだということにとどまらない。

 

これを背景に、教育業界がこのように変化していくのかが重要である。

つまり、伝統的な学校教育体制が解体し弱体化していき、教育は個人単位となり、

個人のキャリアパスのニーズに合わせた個性豊かなE ラーニングによる「終身学習DIY」モデルになっていくだろう。

 

このように、社会のトレンドは、従来のような、子供が生まれてから幼稚園・小学校などを経て大学に行き、

時々博士になってから社会に出て就職するという流れとは異なるものになる。

教育と研修は、自分の意思、ライフスタイル、そして最終目標であるキャリアプランから逆算して

必要な素養とスキルを想定し、

ネットワーク上において自分でカリキュラムを組み、授業を受けるという形式になる。

学校という主流の教育モデルが解体されていく、これは明らかに教育の革命を意味している。

 

これは、教育の革命にとどまらず、社会的革命、人類の生存方式の大きな変革でもある。

当時フォード、モービル、デュポン、US スチール、ボーイング、GE 等の企業を生み出した工業革命、

その後のアマゾン、マイクロソフト、IBM、アップル、グーグル、フェースブックを生み出したIT 革命と同じように、

教育革命は歴史上のすべてのビッグビジネス超えた新しいビジネスの巨人を生み出すかもしれない。

 

こう考えると、新東方は大きい企業なのか。

ゴマ粒一つぐらいの大きさに過ぎない小さい企業だ。

しかし20 年と経たないうちに、新東方は現在では想像できないほどの大企業になっていくだろう。

中国の教育業界の未来は誰が捉えるのか

2、誰が未来を捉えるのか。

誰が未来を捉えるのかに関しては、以下が時間的もしくはロジック的な指標となる。

 

第一に、規模の大きい企業が未来を捉える。

今の教育業界では、「容積トン数が地位を決め、体重が重要さを決める」ため、

質はさておき、規模を拡大させることが最も重要なことである。

重要なことは、規模を確保すると他社に先駆けて次の段階に進むことができ、

優位性を獲得することができる。

それに続くのはマネジメントの勝負である。

 

規模を確保したとしても、すぐに衰退する可能性もある。

そこで重要になってくるのがマネジメントのレベルである。

製薬企業のマネジメントレベル、現代的な大規模工場の工程管理などのマネジメントレベル、

もしくは新東方と同じような管理システムを構築できれば、その企業には未来がある。

 

管理の次は資本の問題である。

製品を中心とする経営から資本の活用を中心とする経営へと転換することである。

たとえば新東方はこれからどのように成長していくのか。

おそらく製品の経営から資本の経営へ発展していき、最終的には資本で勝負するという経路と思われる。

資本は「制空権」を意味する。

 

つまり、優良企業に対して資本を用いて経営に介入し自社のために経営させることができるという、

資本レベルで業界を制覇することが勝負となる。

これは資本の力であり、最後に勝ち残るのは資本力で勝てる企業である。

そのあとはどうなるのだろうか。

 

20 年のスパンでこの業界の将来について考えると、TMT 化、プラットフォーム化、

IT 技術とインターネットを活用したビジネスモデが未来を勝ち取るであろう。

これらを取り込まなければ、おそらく未来はないであろう。

 

未来の王者は必ず「上善若水、内聖外王」である。つまり、経営管理をコア能力として、

巨額の資本投資と株主としての権利を活用し、

この業界において最も成長しうるM&A 対象として魅力的な企業を探索し、発掘し、

サポート(原文はサービス)、投資する。

イノベーションを起こす企業のインキュベーションを促進し、業界リーダーを育て、

業界に害を及ぼす企業を業界から退出させる一方、

業界できら星のように輝く上善若水の企業集団を構築し、教育の進歩を推進する。

 

未来の王者は、教育革命という大きな時代変革を迎えられる存在なのである。

そうでなければ、企業規模を拡大したとしても自ら滅びてしまうだろう。

なぜなら、リスクが大きすぎるため、先述した考え方を持っていなければ大きな危険性に直面する。

逆にこのような考え方を持っていれば、規模が大きければ王者になることができるのである。

 

*本論文は、和君コンサルティング王明夫理事長の第一回中国民営教育研修業界発展サミット会議におけるスピーチ原稿に基づく論文である

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